サルタの絵本しょうかい

長い間愛されつづけてきた、すてきな絵本を紹介します。

映像を見ているような絵本 ”すなのおしろ”

"すなのおしろ"

作・文  たむらしげる    たむらしげる

出版社 偕成社   出版日 2001.7

 

誰もいない砂浜で、ぼくはお城をつくった。


するとお城はどんどん大きくなっていった。


砂の中からモッコリ砂男が現れた。


たくさんの仲間たちが出てきて町をつくっている。

人の姿ばかりではない。


タツムリやタコに似た仲間たちやロボットみたいなのもいる。


砂でできているからどんな形にもなるのかな?


 砂の王様がぼくをよんでいるって!


不思議な形をした乗り物が来てぼくが乗ると動き出した。


砂の王様、うわー、大きすぎると思ったら、ズズ ザザンて小さくなった。


これからサーカスを始めるんだって。


砂の中から虎が出てきて、ぼくに襲いかかってきた。


たいへんだ、食べられちゃう。


ドラゴンに乗って空中ブランコ

手が離れて落っこちる!


 どんどんとめくるめく砂の世界が展開していき、絵本の中に引き込まれてしまいます。


映像を見ているような絵本の枠を超えた作品です。

 

 

宇宙飛行士の毛利 衛さんが訳した絵本 ”5ひきの小オニがきめたこと”

"5ひきの小オニがきめたこと"

作・文  サラ・ダイアー

  毛利 衛     サラ・ダイアー

出版社 講談社   出版日 2003.10.20

 

原っぱにたっている5つのカプセル。


その中に、それぞれ5ひきの小オニが住んでいました。


オニたちは毎日外に出て、その景色のすばらしさに感嘆していました。


そのうちに、眺めているだけでは物足りなくなって、それぞれ一番好きなものを取ることにしました。


そこで太陽と大地と空と海と月を別々に持って、大事にしたのですが、しばらくして、とても大事なことに気がついたのです。


太陽は空がないと登ったり沈んだりできません。


空は大地がないと、自分がどこにいるかわかりません。


海は大地に雨を降らせます。


海は月によって潮の干満があるわけです。


そして月は太陽に照らされて光ます。


この世界や宇宙はみんなつながっているから、美しく輝いているのです。


この絵本を訳された宇宙飛行士の毛利さんが、あとがきで実際に宇宙から地球を見た美しさにふれています。


人間も小オニなろうとしていたのではないか?


 でも大事なことに気づいてほしいと・・・

 

 

ぼくの頭にうんちしたのは、誰? 絵本 ”うんちしたのはだれよ!”

"うんちしたのはだれよ!"

作・文  ヴェルナー・ホルツヴァルト

  関口裕昭     ヴォルフ・エールブルッフ

出版社 偕成社   出版日 1993.11初

 

ある日のこと、その事件は起こりました。


地面から顔を出したもぐら君の頭の上に落ちてきたのです。


なんと、うんちが!


 もぐらくんは目が悪いので、怒って叫びました。


「だれだ、ぼくのあたまにうんちなんかしたやつは」 もぐら君の犯人探しが始まります。


証拠はそのうんちの形と色と柔らかさ。


ハト、ウマ、ウサギ、ヤギ、ウシ、ブタ・・・、どうやらみんな違うようです。


そこにうってつけの協力者が出現します。


ハエたちです。


ハエたちはうんちの専門家です。


犯人は誰だったのでしょうか?


 もぐら君のリベンジは一体どんな形でなされるのか?


 とてもうんちがリアルに、そしてユーモラスに描かれている推理小説風絵本。


ドイツ人作家によるこの傑作は、2003年現在、46刷を数えています。

 

 

モンゴルの民話を再話にした絵本 ”スーホの白い馬”

"スーホの白い馬"

作・文  大塚勇三 再話 モンゴル民話    赤羽末吉

出版社 福音館書店   出版日 1967.10.1初版

 

広い草原が続くモンゴルに、馬頭琴という楽器があります。


楽器の一番上が馬の頭の形になっています。


なぜ馬なのか?


 昔、スーホという貧しい若者がおばあさんと二人で暮らしていました。


ある日、スーホは草原に倒れていたまっ白な子馬を連れ帰ります。


月日がたち、スーホにかわいがられた子馬は成長して立派な白馬になりました。


そして、ある年の春、領主が主催する競馬大会に出ることになります。


勝てば領主の娘と結婚させるというのです。


スーホと白馬は飛ぶような速さで優勝してしまいます。


ところが領主は約束を守らず、白馬を奪いスーホに殴るけるの乱暴を働きます。


スーホと白馬の運命はどうなるのでしょうか?


 モンゴル民話をもとにしたこの絵本。

数々の賞を受賞し、推薦図書にもなっています。


1967年の発行から101刷を数える名作です。

 

 

ふうせんと遊ぶ、たのしい絵本です。"ロンパーちゃんとふうせん"

"ロンパーちゃんとふうせん"

作・文  酒井駒子    酒井駒子

出版社 白泉社   出版日 2003.3.10

 

ロンパーちゃんは町で風船をもらいました。


飛んでいかないように、指にくくりつけてもらいました。


家に帰って、指からはずすと天井まで浮かんでしまう。


お母さんに取ってもらっても、遊んでいるうちに、また天井に。


そこでお母さん、閃きました。


浮いているのに飛んでいかない、ちょうど釣り合いのとれた木のスプーンかな?


そんな錘を付けてくれました。


これならいっしょに遊べます。


きれいなかんむりをかぶせて、ままごとあそび。


ところが急に風が吹いてきて、風船は飛ばされてしまいます。


ああ、木にひっかかちゃった!


 夜もずっと遊ぶ計画を立てていたロンパーちゃんはがっかりです。


でも、お母さんが明日、かならず取ってくれるって。


木に引っかかった黄色い風船、お月様のようです。


淡いトーンの色彩が優しい雰囲気を醸し出しています。

 

 

カラフルな絵本です。 "みみずのオッサン"

"みみずのオッサン"

作・文  長 新太    長 新太

出版社 童心社   出版日 2003.9.10

 

みみずのオッサンが散歩をしていると、ヌルヌル、ベトベト、ベタベターっとしたものが落ちてきた。


いったいなんだろう?


 うわー、ペンキだ!


 ペンキ工場が爆発したんだ。


お父さんもお母さんもつぶされて、苦しい!


 でもとてもきれいな色って感心しているね。


そのうち絵の具とクレヨンの工場も爆発。


ペンキと絵の具とクレヨンで街は固まってしまった。


そこでみみずのオッサンの活躍が始まります。


なんと、固まったペンキ、絵の具、クレヨンを食べ始めました。


もぐもぐ、ムシャムシャ、次から次へ。


それがどんどんきれいな土になって出てきます。


きれいな土はどこまでも広がっていき、とうとうずっと昔の緑の大地に戻ってしまった。


恐竜までいます。


なにせ、ペンキと絵の具とクレヨン工場の爆発ですから・・・

 

 

あなたは、働きますか?歩きますか? 絵本 ”ヘンリー フィッチバーグへいく”

"ヘンリー フィッチバーグへいく"

作・文  D.B.ジョンソン    D.B.ジョンソン

 今泉吉晴

出版社 福音館書店   出版日 2003.4.25

 

クマのヘンリーと友達は、フィッチバーグの町がどんなところか、見に行くことにしました。


ここから48Kmの距離です。


ヘンリーは歩いていくことにしました。


友達は汽車で行くことにしました。


汽車に乗るためには90セントのお金が要ります。


そのお金を作るために、友達は一日働かなくてはなりません。


ヘンリーはすぐ出発できます。


さあ、どちらが先に町に行くことができるでしょうか?


 でも、それは絵本のテーマではありません。


二人の生き方の違いが重要なのです。


歩いていると、動物や植物、美しい景色など変化する自然を身近に感じる時間を持つことができます。


その間中、友達は働かなくてはなりません。


あなたはどちらですか?


 このヘンリー、実は人間。


この絵本の原案となった「ウォールデン ―森の生活―」を書いたヘンリー・デイビッド・ソローという散歩の好きな詩人です。

 

ケンカしても、友達はともだちです。絵本 ”ともだちひきとりや”

"ともだちひきとりや"

作・文  内田麟太郎    降矢なな

出版社 偕成社   出版日 2002.2

 

キツネとオオカミの目に飛び込んできたのはいつもの光景です。


威張りやのイノシシと意地っ張りのイタチがまた言い争っています。


そしてとうとうけんか別れに。


見かねた二人が協力して芝居を始めます。


それが、ともだちひきとりや。


イノシシのところに行き、好物のほし魚5本と、いらなくなった友達を引き取ります。


友達はもちろんイタチです。


イタチを引き取ったオオカミとキツネはイノシシのそばで楽しそうに3人で遊び始めます。


イノシシは見て見ぬふりをしながらも、なんとなくつまらない。


そしてイタチを応援している自分に気がつきます。


どうやらまた、ともだちひきとりやの商売が繁盛しそうになてきたようです。


もちろん、ともだちシリーズのうちの一作です。

 

仲良くなったオオカミとキツネ 絵本 ”ありがとうともだち”

"ありがとうともだち"

作・文  内田麟太郎    降矢なな

出版社 偕成社   出版日 2003.6

 

すっかり友達同士になったオオカミとキツネ。


今日はオオカミの家に初めてのお泊りです。


でもキツネはなかなか眠れません。


そこでオオカミが海のお話を始めます。


海は森が1000こも入るくらい大きいこと。


それに釣り上げたカジキマグロはクマの10倍も大きかったこと。


キツネは我慢できなくなって、明日海釣りに行くことをオオカミに提案。


そして話はまとまります。


自転車で海に着いた二人。


キツネはその大きさにびっくりです。


さっそく二人でつり始めますが、キツネのさおには次から次にと小魚がかかるのに、オオカミのほうはさっぱり釣れません。


カジキマグロなんて釣ったことのないオオカミは後悔し始めますが、それでも場所を変えたりしてがんばります。


やけになって餌を全部つけて海に放り込んだらアタリが!


 さあ、何が釣れたのでしょう?


 ともだちシリーズの一作です。

 

服が小さくなることは、大きくなるってこと?

"おおきくなるっていうことは"

作・文  中川ひろた    村上康成

出版社 童心社   出版日 1999.1.25初 2003.3.20 16刷

 

おおきくなるっていうことは・・・、

服が小さくなること。


新しい歯がはえてくること。


水に顔を長くつけていられるようになること。


この絵本では全部で12の「・・・こと」が出てきます。


きっとまだまだありますよ。


子供といっしょに考えみてもいいですね。


こういうことって、だんだんそうなっているはずなのに、ある日突然発見したり、わかったりすることが多いものです。


最後のほうに、自分より小さな子が目立つようになってきて、そんな小さな子に優しくできるのもおおきくなるっていうこと。


ってありますが、体だけでなく、心の成長も大切です。


知識も豊富になってくると、それを前提にいろいろな楽しみや考えが浮かんでくる。


そんな発見も成長の喜びです。